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●統一地方選挙の直前、一ヶ月前に…
  長年の知人から、突然電話が入った。『オウッ!!ヤマちゃん!!元気?今イイ?あのね、A市の市長選挙なんだけどね、現職の陣営なんだけど、なんかね、新人が有力で、このままでは負けるかも…と危機感を持ってきたらしくてね、その市長さんの後援会の幹部さんが、ボクの知人で、ボクに選挙に入ってくれないか!!と言って来たんだけど…まあ、ボクも秘書は長年やってたけど、そんなの、簡単じゃないじゃん!でね、ヤマちゃんのことを話したら、是非その人に会わせてくれって…言うんで、どうだろ?ヤマちゃん、会ったってくれる?いいやろ??』勿論、断る理由はありません。その後援会幹部の人と、数日後に会いました。
  現職は2期連続当選の人。今度が3期目の選挙。京都大学卒。元高級官僚出身。主に、防衛、警察畑。カタブツで通ってる。悪く言えば、偉そうにしてる…ように見える(偉そうにしてるんやで…おそらく)。今回の選挙は、当時の自民、民主以下主要6党の推薦を取り付け、世間が見れば「盤石の体制」負けるはずがない…という選挙。しかし、地元の自民党支部は、新人に付くなど…組織にヒビ…しかも、新人は、地元の商工会議所の会頭等が擁立した…という、地元経済界の支援にもヒビ。しかも、共産党が、この新人を隠れて推す…という体制を組む。
  情勢をヒアリングしてると…まあ、危機感を持って当たり前な状態。しかし、ボクがこの後援会幹部と会ったのは、選挙の告示まであと僅か20数日という時。まあ…いくらボクでも、躊躇した。
  しかし、この後援会幹部は、懇願した。『とにかく、私は、このままでは負けると思う!!ヤマグチさん、知恵を貸して下さい!お願いしますわ!!』『わかりました。ボクが出来る限りのことはしましょう!でも、もう今更、イメージ戦略なんて、不可能ですし、8年間も市長をやってはるんですから…誤魔化も不可能です。ただ、これからの、運動方法とか、留意点とか、プロのボクが、皆さんが現在進めてるそれをチエックして、出来る限り、合理的に、合法的に最大の効果を得られるようにアドバイスする…というので良ければ…お手伝いいたします。どうでしょう?』『判りました!!ありがとうございます!!早速持ち帰って、幹部会議を開いて承認、決定したいと思います。しばし、お待ち頂けますか?』


●人は沢山いるけれど…
  結局、その日の午後に、その人から電話があり、ボクの差し出した条件で合意。『ヤマグチさん、ウチの幹部達が皆、ヤマグチさんと会いたい…と言ってるので、一度、事務所に来ていただけますか?事務局長以下、幹部がお会いして、ご指導を仰ぎますので…』ということになり、まあ、ボクはあまり事務所へは行かないのですが…最初の最後ということで納得していただき、数日後、そのA市の繁華街の外れにある、大きな大きな、後援会事務所に、伺いました。
  そこの広い応接間に通されると…なんと…30人近くの幹部が勢揃いしていたのです。(オイオイ…なんでこんなに集めるねん!!)『スミマセン、ちょっと、人数を絞って貰えませんか…(苦笑)』10数人の幹部に絞られました。
  そして、ボクは、トウトウと講義を始めました。やはり、中核市とは、言え…ローカルな街です。これまで、この陣営が進めてきた「イメージ戦略的なモノ」は何もありませんでした。まさに、どこの選挙でもよくある普通のビラや、ノボリとかでした。この事務所に入る時に、「もう今のこのノボリでは、お話にはならんなあ…」と感じたので、『先ず、もうすべて、印刷物等は手遅れですが…合法ノボリなら選挙本番中も残せますから…それは、急遽ボクがデザインしてあげますから、それを急遽作って、街中に立てるべきですわ!なんせ、敵の新人は、どうもボクのようなプロがついていますよ!間違いなく。ボクが本来やるような、イメージ戦略を展開してますもん。敵のノボリを今日、ココへ来る途中に見ましたけど…アレは間違いなくプロの仕事ですわ。手強いですよ!!この新人は!!』というようなことから始まり…一般的な選挙本番のこの現職陣営の留意点を指摘し、『スミマセン、今から、投票日までの約一ヶ月は、週に一回だけ、一時間ほど、こちらに入ってきますが…これからは、この中で、どなたか一人を選んで貰って、その方とだけお会いします。そういうのが、ボクのやり方ですので…』結局、人の好さそうな、「事務局長」さんがその役目をすることで決まりました。
  早速、事務局長さんは、「その、あなたのデザインするノボリを作って下さい!」と、その会議後、すぐに依頼されました。この現職市長の後援会事務所は、広くて、沢山の人で溢れていました。しかし、プロのボクが見ると…こういう陣営は選挙は弱いのです。こういう沢山の人たちは、一番選挙で大事な「集票活動」というのを、ほぼしません。
  「お祭り騒ぎ」が好きで、ただ、事務所でウダウダ雑談をしたり、選挙予測をしたり…が楽しくて集まってるだけなんです。だから、こと選挙では、事務所には人がいない…連絡がつきにくい…皆、いつも出払って、何してるのかワカラン…という陣営が…意外にも選挙は強いのが多いのです。皆、そういうところは、外で集票活動や、街頭活動で「運動」をドンドンしてることがあるのです。これ長年の実感(笑)。


●天皇と言われてます…
  週に一度の事務局長との逢瀬が始まりました。統一地方選なので、ボクは他に大切なクライアントもいるので…約束通り、現地一時間のみのレクチュアです。しかも、時間がもったいないので、ボクは現地まで往復新幹線です(苦笑)。現地では、新幹線の駅前のシテイホテルの会員制クラブをその「逢瀬の場所」にしてもらいました。以前の幹部連中との会議では、聞くことの出来なかった、現職市長にまつわる話を忌憚なく聞かせてもらいました。それは、いろんな情勢判断に重要な要素だからです。「なぜ、自民党が割れたのか?なぜ、商工会議所が敵に廻ってまで、新人を擁立したのか?」等々、本音の真実の話をヒアリングさせてもらいました。
  そういう話を聞いて…ボクは「コラ、アカン!!」となりました。致命的な話でした。ボクも、事務局長にヒトツの「縁」の話をしました。実は、この現職が初出馬の選挙の時、そうです、この8年近く前です。ある大手ゼネコンの支社長から、『ヤマグチさん、A市の市長選に出る新人のコンサルをお願いでけんやろか?』という依頼があったのです。しかし、その後、音沙汰なく…で終わっていました。そんな縁がありました。余談ですが…
  それで…まあ…この最初の逢瀬での、ヒアリングで、「こら…負けるなあ…」と確信してしまったのです。候補者の人柄のことでした。とにかく「●●天皇」なんだそうです。たとえば、現職知事が、この市長に会いたい…と依頼が知事サイドから来ても…『●●がこっちへこんかい!!』と呼びつける…というタイプだったそうです。事務局長いわく、現知事は、現職市長が高級官僚当時は、比べものにならないほどの下っ端官僚で…『なんで、あいつがオレ様を呼びつけるんじゃー!!』ということだったらしいです。
  一時が万事…すべてのところでそういう「態度」の人らしく…よって、商工会議所会頭や副会頭等も…「この野郎!!」となった…というお話でした。そう話す、この事務局長も商工会議所の幹部でもあるので…真実味がありました。


●世論調査…
  最初の逢瀬で、「絶望的な」話を聞かされたので…週に一度の事務局長との逢瀬はいつも「お通夜」のようでした。ボクは、昼ご飯タイムをセレクトしてたので、いつも現地へ着けば、先ず二人でランチをとり…そして現況等をヒアリングし、処方があれば話すというもので…コンサル料をいただくのが悪いような感じでした(苦笑)。
  そして、告示の一週間前に、世論調査の実施を提案しました。ヒアリングでは、現職市長は「勝ってる!!」と思ってたそうなので…『調査したほうが絶対にいいですよ!選挙本番の戦略はその結果を見て、組み直しが出来ますし…是非やる方向で検討下さい!!』しかし、告示日が近づいても…『やって下さい!』の連絡はありませんでした。
  一週間後の「逢瀬」で事務局長は申し訳なさそうに…『市長が、そんなもんせんでエエ!!勝ってるに決まってるんやから!!と鶴の一声ですわ!!スンマヘン!!』人の好い事務局長は恐縮至極で…頭を下げはりました。
  まあ…仕方ないですな…。こういう「天皇候補者」は、これまで、ボクのクライアントに、何人かいましたが…彼等の共通点は、ボクとは「会わない」ことでした(苦笑)。「選挙コンサルタント」という「職業」を基本、「職業」として認めてないのかもしれません。もしくは、よく昔から世間で言われてる「選挙ゴロ」という感じで…受け止めていたのかもしれません。「下のモンが会っとけ!!」という感じだったのでしょう(苦笑)実は、この日の「逢瀬」がボクと事務局長との「最後の逢瀬」でした。明日から告示です。もう何を言っても始まりません。
  会員制クラブを出て、エレベーターの中で、ボクは彼に言いました。『結局、折角、ボクと契約したのに…あまり意味無かったですね…ボクはビジネスだから、イイですが…それと、本来は世論調査しての判断なんですが…長年、ボクも選挙やってますんで、ある程度「直感」も働きますが…
  たぶん、このまま行ったら…6対4で負けますわ!!そんな気がします!!事務局長、選挙違反だけはせんようにね!なんかあれば、最終貴方が警察に行かなあきませんからね!!』


●結末と教訓…
  結果、新人約12万票。現職約8万票で落選。
  比率を見れば…6対4 となります。アチャ。
  『おごる平家は久しからず!!』
  まあ…この候補者は、現職市長時代に『敵』を作りすぎやね。
  『実るほど頭を垂れる稲穂かな…』でんな


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