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●統一地方選挙の一年前に…
  ある地方の有力者から、ボクに突然の電話が入った。この有力者は、その地元では市長でさえも、彼が擁立して当選させ…という程の実力者。資金も人脈もあり、当時その地元では権勢を振るっていた。たぶん、それは今でも同じだろう…。
  ボクは、その有力者から、その彼が擁立した市長候補のコンサルをし、その候補が当選したときからの付き合いだった。彼の電話はこうだった。『ああー!ヤマグチさん、久しぶり!実はまた、お願いしたことが出来て…一度また、時間ある時に、足を運んでくれる!!』
  その数日後、その街まで車を飛ばしました。かなりのドライブです(苦笑)広い豪華な応接間で彼は待っていました。『あのね、地元から出てる県会議員がね、最近まあ…反目というか…チトお行儀悪くてね…懲らしめたいとね…そんで、一人、対抗馬を立てようと思ってね…どや??やってもらえる??OKなら、その候補者をすぐに、ココに呼ぶでー』断る理由は無いので(苦笑)勿論、OKしました。
  ほどなくして、その候補者が応接間に入って来ました。すでに、この会社の別室で待機していたようでした。まあ、顔はイケメンでは無いが…雰囲気はまあまあ…議員になってもおかしくないというのは持ってました。年は30代、首都圏の自民党代議士秘書を7年間経験し、うち3年は公設秘書経験者でした。勿論、有名私大卒です。まあ、経歴は県会の候補者としては、申し分無しという感じでした。『どや?ヤマグチさん!いけるか?』『そうですね、まあ、イイ勝負はできるんと違いますか!!』『ほな、早速、やってもらえるかな?』『判りました!ではそのつもりで、制作等に入ります』ボクのその言を聞くなり、彼が候補者に対して、口を開いた言葉や態度がかなり印象的でした。
  『オイ!●●(呼び捨て)!エエか!この人の言うことをよう聞いて!なんでも、言うとおりにやるんやで!判ったな!!』…・・と、かなりの高圧的な、しかも命令的なそれでした。ボクは、まあ、街の『顔役』ちゅうのは、こんなもんなんやろなあなあ…と思いました(苦笑)。


●スタート半年後…
  都会から、かなり離れた街とは言え、ボクが進めるイメージ戦略や、ドブ板戦術は全く変わりません。イメージ戦略は、かなりイイモノが出来、ビラ作戦も順調でした。当初、候補者に与えた日常活動のアサイメントが、どれほど進捗しているか…半年後に候補者を呼び、チエック作業に入りました。結果、驚愕の事態でした。なんと、この候補者、殆ど実行できていないのです。『君!何を考えてんねん!!ビラ等は順調に全戸入ってるのに、そんなことでは勝てんでー!!今まで、この半年間、何をしとったんや??ああ??』候補者は、情けない顔になり…『スミマセン!!会合に呼ばれたりして…なかなか、その時間が無くて…』
  ボクが一番、怒ったのは、大事な「戸別訪問」が、ほとんど手つかずだったのです。典型的な「サボリ」です。『オマエさん!ホンマのところは、この選挙に出たくないのとちゃうんかい??オマエ出ろ!と顔役に言われて…断れず、しかたなく出てるんとちゃうんかい!!』とボクは畳み掛けました。このボクの剣幕に彼は丁度、「紳助・竜助」の竜助のような誠に情けない顔になりました。そして『そんなことはありません!!政治家になるのを夢見てましたし、そのために代議士秘書にもなってたのですから…』
  『とにかく、顔役には報告はせんから、やるべきことはやれ!!今度は年末にチエックするぞ!エエな!!』
  代議士秘書を7年も経験してる割には、選挙のこともあまり知らないし、この経歴ホンマかいや?と疑うほどの「素人」でした。まあ…代議士秘書の経験があるといっても、選挙を「仕切る」サイドにいないと…こういうタイプの秘書経験者は、実際は本当に多くいるのです。現に、我が石井はじめ代議士秘書出身の後輩の選挙のコンサルも、ボクはしてきました(苦笑)。


●そして年末
  ボクは、常々、候補者にアサイメントを与えても、その進捗状況をそんなにチエックしません。何故なら、最初のレクチュアで、「ボクの指示する運動の効果や大切さ」を教え、候補者は充分納得したうえで、「GO!!」してる訳ですから、ドンドンやってて当たり前なのです。ボクが「今、どこまで進んでる??」とか聞くのは、もうナンセンス。ベストを尽くして、進めとかな意味ないのですから…そして、あの「怒り心頭」の日から、数ヶ月経ち、選挙まであと4ヶ月という時になりました。候補者を呼びました。
  『どや??どの位いけた??』『スミマセン!!会合が多くて…・』と来たのです。コヤツ。ボクはもう呆れて…言葉が出ません。彼とは、もうすぐ別れ…ボクは「顔役」ところへ行きました。
  『スミマセン!この候補者は面倒見切れません!下ろさせて貰います!!』と言うためです。いくらイメージ戦略には自信があるボクでも、こんな候補者とはもうこれ以上は付き合いたくないという思いでした。顔役に「一部始終」顛末を報告し…意外にすんなりと受け入れて貰えました。


●アレっ?出馬していない!!
  ボクは、その統一選では、他のクライアントもいるので…もうこの候補者とは何の関係もありません。また、その後の彼等の動向も関心ありませんでした。そして、県会議員選挙告示の日が来ました。クライアントをマジマジ見てた後…「そや!あの竜助は?」と思いだし、その選挙区を探しました。「アレッ???出馬してないやん!!!」名前が無いのです。
  ボクが、ココで顔役に「出さなかったんですね?」とか聞くのもシラケル話だし…この「事態」にボクはなんのアクションも起こしませんでした。また、出馬「辞退」の真相も知るよしはありません。
  ただ、想像するに…ココからはボクのフィクションですよ(苦笑)
  結局は、「顔役」に切り捨てられた…んじゃないかと。
  しかし、出馬してても、200%落選はしてたとは思います。
  でも、たとえ、切り捨てられたとしても…本人に、本当に「政治家」になりたい!という強い強い「意志」があれば…「出馬」はすべきだし…それをたとえ「顔役」が阻止しようが…出ることは出来た筈です。
  まあ…要は「意志薄弱」「サボリ」「根性無し」だったということでしょう。


●教訓
  「こんな候補は、落選する!」というテーマとは、やや外れましたが…まあ、「人生の落選者」という教訓話として…書きました。
  何事も、自分の「強い意志」と「希望」で行動しましょう。選挙では、廻りに「推されて出馬」というケースは、ままあることですが…そういう場合は、いかにも「他力本願」となり、「独力」で「死にものぐるいで頑張る」という姿勢に欠けてしまいます。そして、そういう候補者に限って、まさかの「当選」を果たした場合、これまた、その正反対に「己の魅力で当選したんじゃ!!あんな運動をせなくても当選したのは、オレが正しかったんじゃ!」と…・・何の根拠も無いへんな「自信過剰」の政治家となり…議員バッチが付いた途端、態度がガラッと変わり…鼻持ちならない人物へと成長してゆきます(笑)これまで、よくそういう政治家を見て来ました。

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